~東大生の本を読む視点は「読解力」と「思考力」を鍛える~
東大生100人対してアンケートを実施。東大生がこれまで読んできた本や、本を読むときの視点など、その共通する点から見えてきた「読解力」と「思考力」を鍛える本の「読み方・選び方」を分かりやすく解説してくれています!
前半は主に、東大生がどのように考えながら、またどういった視点で本を読んでいるのかといった解説があり、後半は東大生がおすすめするブックガイドどなっていてとても面白かったです!
東大生が読む本なので、さぞ難しい哲学書や学術書ばかりかと思いきや、漫画やラノベ、入門書など色々な分野のおすすめ本が紹介されていて読みやすかったです。
本書を読んで思ったのは、「どんな本を読むと頭が良くなるのか」ではなくて、「どういうことを意識して本を読んでいるか」が読解力と思考力を鍛えるのだと感じました。
この記事では、私が特に大事だと感じたポイント3点を紹介させて頂きます。
【ポイント①】東大生が大事にする本を読む時の『視点』(p.36)
さまざまな人間の立場・物の見方を考えて物語を読むのが好きな東大生が多い
西岡壱誠『東大生の本棚』日経BP、2021年(引用:p36)
本書によると、東大生は物語を読む際、登場人物の「視点」を大事にするといいます。
具体的には、主人公の視点、悪役の視点、脇役の視点、男性側からの視点、女性側からの視点など、「複数のキャラの視点から、さまざまな立場に立って物語を読み解く」ことを普段からおこなっているそうです。
これはすごく大事なことで、相手の立場になって物事を考えるということに繋がるからです。人の気持ちになって考えるというのは、大人になってもなかなか出来るものではありません。
でも社会人になれば、仕事でビジネスパートナーや顧客、消費者など、「相手の立場になって物事を考える」ことの連続です。東大生はこうした思考力を、普段の何気ない読書から鍛えているというのが非常に興味深かったです!
実際、東大の入試問題でも、「市町村合併に賛成の立場と反対の立場、両方の立場になって答えなさい」や「賛成の意見が主流であるが、あえて反対の立場で答えなさい」など、どちらの「視点」でも考えさせる問題が出題されるそうです。
【ポイント②】東大式「読んで終わり」にしない本の読み方(p.42)
東大生はなぜ読んだ本の内容を忘れることなく、活用できるのか?
その秘訣は「感想」です!
東大生は読んだ後必ず、本の感想をアウトプットします。授業で読んだ本の内容について友達と感想や意見を言い合ったり、考察したりするのは当たり前だそうです。
読書ブログをつけたり、読書ノートを書いてみるのも良いかもしれません。本の話題で話せる友人や会社の同僚などがいれば、休み時間に感想を言い合っても良いと思います。
とにかく大事なのは「インプット」した内容を「アウトプット」するということ!
本を読んだ時の感情を、自身の中で言語化することで、より記憶に残りやすくなります。
【ポイント③】読書のPDCAサイクル(p.105)
本を、経験から学ぶ助けとして活用している
西岡壱誠『東大生の本棚』日経BP、2021年(引用:p105)
本書で特に印象に残ったのは、この「自分の経験と照らし合わせて本を読む」ということでした!
東大生の中には、「本を読むのは体系化のため」と話す方が多いそうです。
例えば失敗の経験を受けて、「こういう時はこうすればいいのか」と本で解決策を理解し、実践してみたり、知識不足を痛感した経験から、「ここまではわかっていたが、このことは知らなかった」など、不足分を読書から補ったりすることです。
それをここでは読書のPDCAとして紹介してます。
Plan→Do(経験)→Check(読書)→Action
ポイントはPDCAのCheckの部分で、読書を活用することによって、自分が経験したことを振り返り、より体系立てて理解することに役立てます。
営業の本を読むにしても、ただ読むだけではもったいないので、最後は必ず行動に移すことが大事です。
例えば、一週間の営業計画を立てる(Plan)→目標が達成or未達(Do)→ビジネス本などを参考に行動計画の見直し(Check)→行動(Action)という流れになります。
新しいことを知るだけが読書ではない
西岡壱誠『東大生の本棚』日経BP、2021年(引用:p106)
せっかく多くの本を読んだとしても、そこで得た情報や知識を活用できなければもったいないので、自身の経験と紐づけて読むことを意識し、読書の質を高めることも必要だと感じました!
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