~営業に必要なのは「トーク力」ではない!「モノを売る」仕事全てに共通する5つのポイント~
営業テクニックだけではなく「モノを売る」ための心構えや、営業・販売という仕事への向き合い方が多く書かれている本です。
ビジネスで大事な要素をわかりやすく解説してくれていて、営業マンや販売員向けとして書かれていますが、決して営業職だけではなく、他の様々な職業でも参考になることが多いのではと感じます。
トーク力より大事な「5つの力」
①「観察力」
人を観察し、その欲求やホンネを理解する
②「判断力」
観察によって得られた情報をもとに素早く決断する
③「行動力」
判断にもとづき、最適なアクションを取る
④「説得力」
信頼を勝ち取り、クライアントを納得させ決断させる
⑤「忍耐力」
チャンスをうかがい、最高の成果を勝ち取る
この本を読んだ動機と感想
私自身、以前は家電量販店で長年販売の仕事をしていました。その時に、実際に販売で参考にさせてもらったのと、周りの販売成績が良い店員の意見や普段の行動を見て、本書の内容と多く共通する部分があったからです。
本書は上記の5つのポイントを、具体的な例をあげながら、わかりやすく説明してくれているので、とても読みやすかった印象です。
ネタバレになるので全部は記述しませんが、私が実際に現場で販売をおこなっていた際、特に参考にした箇所を3つ紹介させて頂きます!
営業は「買いたい人」を見分けるだけ【観察力】
私が勤めていた家電量販店では、毎日様々な客層のお客さんが足を運んでいました。 特に何か購入するわけではなく、ぶらぶら店内を散歩する人もいれば、目当ての商品を探しにくる人、お友達や家族の買い物についてきた人など。
その中で、買う気のない人に一生懸命営業をかけても、時間を無駄に使ってしまう他、そのお客さんに捉まっているうちに、他の店員に買う人を取られてしまいます。
※そこで大事なのが、「買う人」を見分けるということ!
例1)購買意欲のある人→商品の値札や広告を見ている。きょろきょろと視線があちこちに移る。何かを探している。
例2)購買意欲がない人→ただぐるぐる店内を回っている。店員に声をかけられても何度か断っている。
本書ではこの他にも、購買意欲のあるお客さんを見分けるポイントがいくつか紹介されています。重要なのは、こうした「観察力」を磨き「買う人」「買わない人」をしっかり判断して、アプローチすること!
話を聞くだけで営業がうまくいく【説得力】
まずは自分から質問をして、相手が話し始めるきっかけをつくり、相手が何を求めているのか、何に困っているのかをとことん聞いてあげることが、説得力のポイントです。
一方的に商品知識を披露したところで、相手がそれを欲しいわけではなかったら、元も子もありません。
相手の立場になって、親身に話を聞くうちに、人は「今度は自分が相手の話を聞かなければ申し訳ない」という気持ちになります。これを本書では「返報性の原理」として紹介しています。
後は聞き出したお客さんのニーズを元に、自社の商品のメリット、デメリットをお伝えしていくだけです。
ビールの売り子に学ぶ、客を逃さない工夫【販売の具体例】
特にこの本で参考にさせてもらったのが、この「ビールの売り子に学ぶ営業術」でした。
カリスマと呼ばれる「ビールの売り子」は、普段本当に細かい工夫や努力を重ねていることが良くわかりました。
【観察力】とそれに基づいた【判断力】
・球場全体を見渡し、ライバルの少ない場所でお客さんを探す。
・ビールを注いでいる間も周囲をチェックし、売り子を探している客さんがいたら、すかさず声をかけて自分が行くまで待たせる。
・団体客が来ても、全員が落ち着いて席に座るまで声をかけず、試合が盛り上がっているときは声かけのタイミング外す。【相手への気遣い】
※上記のような細かい努力と工夫から、常連を作り自身のリピーターになってもらうという。紹介したのはほんの一部ですが、これは営業や販売といった仕事全般に共通して必要なスキルだと感じました!
まとめ
リモートによる営業も増え、短時間で相手のホンネやニーズを聞き出し、契約を取ることが求められる今の時代、モノを売るための「共通の法則」を学ぶことで、自身のスキルアップにも繋がり、新たな気づきを与えてくれると思います。ぜひこの本を手に取って、参考にしてみてはいかがでしょうか。
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