【おすすめ本紹介】『ルネサンスとは何であったのか』塩野七生

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~中世の時代を経て、抑え込まれていた人々の感情のが「ルネサンス」という精神運動を生んでいく~

14世紀に始まり、16世紀まで続いたヨーロッパの文化運動。宗教改革や反宗教改革、大航海時代との繋がりもわかりやすく解説。教養を深める為に、入門書としても非常に参考になる一冊でした!

ルネサンスとは「見たい、知りたい、わかりたいという欲望の爆発が、後世の人々によってルネサンスと名づけられることになる、精神運動の本質でした」

塩野七生『ルネサンスとは何であったのか』新潮文庫(P.15)

「欲望の爆発」は何故起こったのか?

近世以前の時代、知識とはカトリック教会の独占物だった!

・聖書はラテン語
・教会での儀式もラテン語
・一般民衆はラテン語を理解できなかった

中世の時代、知識は教会の独占物であり、権力の側は民衆が賢くなることを避けたかった。
教会(権力側)は民衆に対し、盲目的に信じるよう仕向ける。

「天国は信ずる者のみに開かれている」

塩野七生『ルネサンスとは何であったのか』新潮文庫(P.17)

信じることの反対は、『疑う』ということ!=『ルネサンス精神』であった。
一千年間に及ぶ教会の知識の独占が、それまで抑え込まれていた民衆の好奇心を開かせる!

人間の再発見(古代ギリシア、ローマの美術品、芸術品)

メディチ家など新興成金による、古代の出土品・彫刻品などの高額な買付が始まる。
中世の間、忌まわしい邪教の遺物として排斥されていた品々が大金に化ける時代になった。
それによって、庶民によるテヴェレ川や古代競技場、街道附近の発掘ラッシュが起きる。

古代ギリシア・ローマ人の著作に関しても、筆写された後、長い間、修道院の図書室に保管され、人目に触れない時期が続いた。ルネサンスの人文学者たちは、それらの失われた古代の知恵や哲学を探し出し、再発見していく。

まとめ

十字軍の失敗からペストの大流行を経て、中世の時代に絶対的権力であった教皇権(教会権力)が失われていく。それに伴い民衆の間で、教会への不信が深まる。長きにわたり抑圧されてきた、民衆の「見たい、知りたい、わかりたいという欲望」の爆発が、そうした時代背景を元に、ルネサンスという形で花開く。失われた古代ギリシア、ローマの美術・芸術といった「人間の再発見」がルネサンスまさしく復興であった。

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